【ロイヤルオーク購入記⑤】アルパインイーグルと悩む

  • 2021年1月24日
  • 2021年8月21日
  • 腕時計
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ロイヤルオークを購入する過程で悩んだ時計の一つに、ショパールのアルパインイーグルがあります。ロイヤルオークとは、その出自やポジショニングは異なると思いますが、ステンレススチールのスポーツ・ラグジュアリーウォッチということもあり、実際に付けてみると非常に心ひかれる時計でした。

アルパインイーグルとの出会い

アルパインイーグルについては、SNSで話題になっているのをきっかけに知りました。クリエイターの三浦大地さん、時計好きのインフルエンサーの方々が、男女問わずに付けこなされている様子を見て、興味を持ちました。

アルパインイーグルの特徴

ショパールとは

まずは、ショパールというブランドです。スイスのハイジュエリーのブランドで、時計ブランドというよりは宝飾系ブランドのイメージが強いです。カンヌ国際映画祭のオフィシャル・パートナーとして同映画祭の最優秀作品賞(パルムドール)のトロフィーを作成していることで知られており、そのこともあり有名な俳優さんがジュエリーや時計を身に付けられている様子をみることがあります。女性向けの時計で、ハッピーダイヤモンドというシリーズがあります。僕も実際にブティックで見るまでは知らなかったのですが、時計の文字盤上でダイヤモンドが揺れ動くというものです。仕組みとしては、文字盤上にセットされた2枚のクリスタルサファイアの間でにダイヤモンドが配置されており、揺れ動くというものだそうです。さすがジュエリーブランドということで、どのようにすれば女性が美しく見えるか、ジュエリーを身に付けている女性自身が幸せな気持ちになるかというアプローチを感じ取ることができます。

アルパインイーグルとは

そんなショパールが作るラグジュアリー・ウォッチがアルパインイーグルです。

文字盤はブルーとグレーの2色です。爽やかさと清潔感ならブルー、モノトーンコーデやクールなイメージを求めるならグレーがオススメです。文字盤の特徴として、サンバースト装飾と言って、時計の中心から放射状に広がっていく装飾がなされています。この装飾がデザイン性を高めるとともに、見る角度によって異なる色味を楽しませてくれ、所有感を高めてくれる要因の一つになっています。このサンバーストのデザインは、時計の名前にもなっているイーグル(ワシ)の目の虹彩からインスピレーションを受けているようです。

時計の素材としては、ステンレススチールとステンレスとローズゴールドとのコンビがあります。特筆すべきはステンレススチールの素材で、ショパール ルーセント スティールA223製のブレスレットには高度な技術が用いられており、4年の歳月をかけて開発されたこの特別なスチールは、他のスティールに比べ50%高い硬度となっており、低刺激性とゴールドに匹敵するような高級感を備えています。

このアルパインイーグルの誕生には、3世代にまたがる歴史があり、サンモリッツと言うモデルからのエスプリを引き継ぐものとなっています。メゾン初のスポーツウォッチの開発となったサンモリッツ、そしてその現代的な解釈で新たにラグジュアリ・スポーツウォッチのアイコンとなったアルパインイーグルの歴史を感じられる時計です。

実際に身に付けてみた感想

ブティックにて何度か試着をさせていただきましたが、身に付ける度に素敵な時計だと思わせてくれる時計でした。まずは美しい。ジュエリーブランドとしの品格を感じることができます。また先ほどのルーセントスティールの質がとにかく高く、ステンレス製の時計でありながらも高級感があります。まさにラグジュアリー・スポーツウォッチで、その二つを両立しています。文字盤のサンバーストについては、装飾なしの光沢のみの時計とは異なりますし、半端な装飾とも異なります。ロイヤルオークのタペストリー柄にも劣らない質の高さを感じました。ブルー文字盤の爽やかさも、グレーのクールさも捨て難く、それだけでもずっと悩んでいられるような魅力的な時計でした。自分を強く押し出していきたいと言う場合には、ロレックスのデイトナやGMTマスターⅡ、サブマリーナー、オーデマピゲのロイヤルオークなどが選択肢になると思いますが、センスの良さ・育ちの良さ・クリエイティブ・繊細さなどを売りにするなら、アルパインイーグルは非常に良い選択肢になると思いました。このクオリティーで147万円と言うのはかなり良心的に思いますし、所有欲を満たしてくれる時計と感じました。

この記事のトップにある画像が、実際の着用画像です。手首周り17mmの僕ですが、41mmの少し大きめのサイズでも違和感なく付けられていると思います。

ジュエリーブランドで時計を購入するということ

ここで、高級時計の購入にあたって、これまでの価値観と全く別軸での発見がありました。それは、時計購入にあたっての特別な体験です。まずは、ブティック内での最高の体験です。特別な部屋にご案内いただいての時計選びの時間。ブランドコンセプトで一貫した、テーブル・ソファー・絵画・その他装飾品。シャンパンやマカロンの提供、特別な顧客(と一部の購入検討者)のためのイベント。購入せずにお店を出る際にも薔薇のプレゼント。また、購入後にも定期的なラグジュアリーイベントが、ブティックや高級ホテルで開催され、時計以上の価値を得られることが約束されています。ハイジュエリーブランドの顧客になることの意味を初めて知ることになりました。

アルパインイーグルかロイヤルオークか

これほどまでに最上級のおもてなしをしていただいて、それでもロイヤルオークを選んだ理由。これはもう価値観の問題としか言えません。実際悩んでいたロイヤルオークは正規店での購入は不可能でしたので、並行店で300万円ほどのお値段。アルパインイーグルの2倍以上の値段ですし、場合によっては中古、そして購入に至るラグジュアリーな体験も、購入後の特別なおもてなしも一切ありません。それでも、僕がロイヤルオークを選んだ理由は3点。①ラグジュアリー・スポーツウォッチの最高峰を手に入れたいこと(ノーチラスは諦めていました)、②ここで100万円以上の時計購入できる機会は現実的に10〜20年に1度巡ってくれば良い方で、2度とロイヤルオークやデイトナなどの高級時計は買えないだろうと思ったこと、③良い時計かどうかに関係なく中古相場(売却価格の相場)は決まっていて、アルパインイーグルはデイトナやロイヤルオークと比べるとやはり厳しい状況になるだろうと言うことです。

特に大きな要因であったのは③の資産性の点です。時計自体を売却する気は全くないのですが、家庭・生活のことを考えたときに、資産が減るようなお金の使い方はあまりしたくないという感覚が染み付いており、その不安を振り払ってまでの購入には至りませんでした。

このようにして、ラグジュアリーなハイジュエラーの顧客への仲間入りは見送られたのでした・・・。

次は、価格的には買えるのに、どこにも売っていないあの時計。