転職エージェントは活用すべきか【採用担当者目線】

転職を考えている方は多いと思いますが、実際にするとなると、何から始めれば良いのかわからないとの声をよく聞きます。また、転職エージェントの活用についてもよく相談を受けます。

そこで、今回は転職についてお話ししたいと思います。僕自身、転職活動を経験したことがありますし、現在はマーケターや営業・広報担当者などの採用活動も業務として行っています。また、過去には、関連会社の転職エージェントの広報を担当していたこともあるため、自身の実体験を交えたお話ができると思います。

お話する主な内容としては、以下の通りです。

  • 転職活動を始めるにあたって、準備するものは?
  • エージェントは活用した方が良いか?
  • エージェントは何社登録すれば良いか?
  • どのエージェントを利用すれば良いか?

転職活動を始めるにあたって、準備するものは?

ここは、「就職活動自体が全く初めて」という方のみご覧ください。その他の方は読み飛ばしていただいて問題ありません。

  • PC(当然ですが)
  • 証明写真(データ・プリントアウトしたもの)
  • 履歴書(ワードかエクセルデータ)
  • 職務経歴書(ワードかエクセルデータ)
  • 卒業証明書・健康診断書(最終面接や内定通知後に提出を求められることが多いです)

当然のものばかりですが、念のため。最近は履歴書・職務経歴書はPCで作成したものの提出でOKな企業がほとんどですね。また、転職サイト上で項目を入力すると、ワード・エクセルの形式でアウトプットできる機能もあります。ほとんどの方は、こちらをベースに作成されているのではないでしょうか(ですので、気づけばみんな同じフォーマットになっている・・・)。ただし、時々、手書きの履歴書の提出を求められる企業もあるため、提出前には十分ご確認ください。それから、卒業証明書や健康診断書の提出も求められます。とはいえ、これらは最終選考段階や内定通知後の提出が多いですので、転職活動を始める段階においては、それほど気にしなくても良いと思います。

転職エージェントは活用した方が良いか?

転職活動が初めての人にとっては、エージェントに登録するかどうかも気になるところではないでしょうか。最近は、新卒採用時にもエージェントを利用する人が出てきているようですが、従来型の新卒時の就職活動といえば、企業への直接応募ですよね。

そこでまずは、転職エージェントの仕組み・ビジネスモデルについて、簡単に紹介します。これを知っているかどうかで、エージェントとのやりとり(場合によっては、駆け引き)に大きな差が出ますので、ここはじっくり確認しておいてくださいね。

  • エージェントは、採用したい側(企業)と仕事を探す側(候補者)をマッチングさせる会社
  • ほとんどのエージェントは、採用が決まった段階で、「企業側」のみから報酬をもらう
  • したがって、候補者(皆さん)がエージェントを利用するにあたっては、ほとんどの場合無料(ただし、一部、非常に質の高い転職コンサルティングを売りに、登録有料の転職サービスもあり)
  • 採用が決まった際に、企業からエージェントに支払われる料金は、「採用された方の理論年収(理論上想定される初年度年収)の●●%」とされることが多い
  • 支払金額については、従来は理論年収の30%が多かったが、現在の主流は35%(ただし、長くお付き合いがあったり、取引が多い会社については、30%やそれ以下のこともあり)
  • ただし、入社して一定期間内(エージェントによって異なりますが、1ヶ月〜6ヶ月が多い)に退職した場合には、エージェントから企業への返金(返金の割合は様々)について、契約に盛り込まれることが多い

確かに、エージェント経由の応募の場合は、企業側も報酬の支払いが発生しますが、多くの候補者を紹介してもらえる。ある程度エージェントの方で選定・精査してもらった候補者だけを選考すれば良い(人気の企業は書類審査だけでも本当に大変です)。という点で、採用に力を入れている企業であれば、活用しています。また、報酬(費用)の発生は採用につながった時だけですので企業にとってリスクは小さく、採用の予算内であれば、あえて直接応募の候補者(報酬の支払いなし)を選ぶ必要も大きくないと判断する企業も多いでしょう。そして、何より転職市場の情報を得るためにも、エージェントの活用は必須と考えます。まだ登録されていない方、1 〜2社しか登録していないという方は、すぐに登録を進めましょう。登録だけならノーリスクですね。

転職エージェントは何社登録すれば良いか?

エージェントの登録はできる限り多い方が良いと、僕は考えます。理由はいくつかありますが、エージェントによって持っている求人が異なること、転職活動に使える時間は限られていることから、同時期に進められる応募・選考が限られること、エージェント(特にその時担当になった方)によって、サポートの質が大きく異なることが挙げられます。

  • エージェントの登録数は、できる限り多い方が良い
  • ただし、一つのエージェントとの面談は30分から1時間程度かかるため、多すぎると対応しきれなくなる
  • 在職中の方は3社〜5社、離職中の方は5社〜10社程度か

どの転職エージェントを利用すれば良いか?

エージェントによって、ビジネスモデルやポジショニング(得意とする点・ウリとする点)が異なることから、複数の組み合わせが有効と考えています。

例えば、ビジネスモデルとしては、企業側の担当者と候補者側の担当者が別々のエージェントがあります。一方で、一人の担当者が企業と候補者の両方を担当するエージェントもあります。どちらも一長一短なのですが、比較的所有する案件(求人数)が多く、大規模に展開するエージェントでは、前者が多いように思います。逆に、後者については比較的小さめの規模のエージェントでよく採用されているモデルといえます。

そこで、大手のエージェントとして、リクルートやマイナビさん。それから、中小規模のエージェントもいくつか登録しておくのが良いと思います。

そんな中で、僕の経験上おすすめのエージェントの一つに、JAC Recruitmentさんがあります。元々は、友人から紹介を受けたのですが、僕もこちらで紹介していただいた案件で内定を得ました(給与面でも年収にして100万円以上アップの評価。マーケティング部門での応募でしたが、社長直轄の経営企画部でのオファーももらいました)。大手でありながら、「一人の担当者が企業と候補者の両方を担当するモデル」を採用しており、非常に細かな対応をしてもらえたからです。もちろん、その担当者にもよりますが、やはり企業側の深い情報を持っているという点が大きいです。優秀な担当者であれば、人事・部門の採用担当者だけでなく、社長とも繋がりがあり、採用に至るまでのキーパーソンと企業側の希望を全て把握できているような状態です。また、エージェントの担当者は一名ではなく、候補者の情報はエージェントの担当者複数名に共有され、複数名のエージェントより(次々に)アプローチを受けることができます。その中で、優秀な方や自分の要望に合う求人を紹介してくれるエージェントについていけば、内定が近付きます。

その他、比較的小規模なエージェント特定の分野に強いエージェントにも登録してもらいたいのですが、この辺りは情報も少なくわかりづらいと思います。そこでオススメするのが、ビズリーチです。ここは登録しておくと、いろいろなエージェントから声がかかります。名前も聞いたことのないエージェントも多いのですが、中には非常に優秀なエージェントの方がいます。もともと大手のエージェント(多いのがリクルート)から独立した方が多く、キャリアコンサルティングのクオリティーが高く、企業とのコネクションも十分に持っている方もいます。また、小規模なだけに一件一件の案件が非常に重要で、グイグイ引っ張っていってくれる方が多い印象です。逆に、持っている求人とマッチしないと判断した場合には、あっさりと距離をおかれることも・・・。やはりビジネス。その場合は、切り替えて他のエージェントを頼りましょう。

  • エージェントは、同時に複数利用するのが良い
  • 大規模なエージェントと小規模なエージェントを両方活用しましょう
  • 経験上のオススメは、JACリクルートメントとビズリーチの登録
  • ビズリーチに登録した際に声がかかった小規模エージェントの中から、自分にあったエージェントを選びましょう

転職エージェントへの登録を

ここまでエージェントの内情(報酬の発生や企業との間を取り持つ仕組み)がわかれば、サービスの利用も怖くないですね。

すぐに転職を考えている方はもちろん、少なくとも1年以内には転職を考えているという方も、エージェントへの登録を進めておきましょう。

僕が転職活動をしたときに活用した転職エージェントのお話はこちら