AIDMAモデルはもう使えない?現役マーケターが本当のところを教えます。

マーケティングの世界では消費者の購買行動モデルとして有名なAIDMA(アイドマ)モデルですが、最近ではインターネット普及時代に合わせて、AISAS(アイサス)・SIPS(シップス)・AIDCA(アイドカ)・AISCEAS(アイシーズ)など色々なモデルが提唱されています。それでは、AIDMAモデルはもう使えないのでしょうか?

先に結論をいうと、AIDMAモデルは今でも使えるフレームワークといえます。また、マーケターとしては必ず抑えておきたい購買行動モデルです。それでは、解説していきましょう。

そもそもAIDMAモデルとは

アイドマモデルとは、次の頭文字をとった消費者の購買行動モデルです。

  • A(Attention)・・・認知・注意
  • I(Interest)・・・興味・関心
  • D(Desire)・・・欲求
  • M(Memory)・・・記憶
  • A(Action)・・・行動

例えば、消費者は、TV広告やWeb広告、(少なくなってきましたが)電車の中吊り広告などを見て、商品について、認知するようになります(Attention)。

その後、その商品について見聞きした内容から、興味・関心が高まってきます(Interest)。

さらに、自分自身で商品を検索したり、噂を聞くなどする間に、その商品が欲しくなってきます(Desire)。

そして、その商品についての記憶が定着し、欲しいものリストに登録されます(Memory)。

最後に、その欲しいものリストの中から選択され、その商品の購買に至ります(Action)。

細かく見ると様々な経緯で購入に至るわけですが、基本的には概ねこのような流れで購入に至ることが理解できると思います。

これがいわゆるAIDMAモデルであり、マーケターはこの消費者の購買行動の段階に応じて、プロモーション施策を打っていくことで、消費者のマインドに合わせたアプローチができるというわけです。

そのほかの購買行動モデル紹介

AIDMAモデルは伝統的な購買行動モデルですが、社会の変化に合わせて、購買モデルの進化系(?)が提唱されるようになってきました。代表的なものは以下の通りです。

AISAS(アイサス)

  • A(Attention)・・・認知・注意
  • I(Interest)・・・興味・関心
  • S(Search)・・・検索
  • A(Action)・・・行動
  • S(Share)・・・共有

これは、インターネット時代に対応した購買モデルとして、行動の前に検索という段階を置いたこと、行動(購買)後のシェア(共有)に着目した点が特徴です。

AISCEAS(アイシーズ・アイセアス)

  • A(Attention)・・・認知・注意
  • I(Interest)・・・興味・関心
  • S(Search)・・・検索
  • C(Comparison)・・・比較
  • E(Examination)・・・検討
  • A(Action)・・・行動
  • S(Share)・・・共有

これは、上のAISASにC(比較)、E(検討)を加え、さらに細かくしたモデルといえます。

SIPS(シップス)

  • S(Sympathize)・・・共感する
  • I(Identify)・・・確認する
  • P(Participate)・・・参加する
  • S(Share & Spread)・・・共有・拡散する

購買行動の出発点が、従来型の広告ではなく、SNSなどの共感から始まっている点が特徴です。

AIDCA(アイドカ)

  • A(Attention)・・・認知・注意
  • I(Interest)・・・興味・関心
  • D(Desire)・・・欲求
  • C(Conviction)・・・確信
  • A(Action)・・・行動

これは、AIDMAモデルのM(記憶)の部分がC(確信)に変わっています。購買に至るには、単なる記憶ではなく、確信が必要ということですね。住宅など人生の中でも比較的高額な買い物をする際に当てはまりやすそうなモデルですね。

AIDMAモデルは死んでいない。

ここまで順に読んできてくれた方ならわかると思いますが、新しい購買モデルはAIDMAモデルを参考にしながら、インターネット社会・SNS社会に適合させたモデル・消費者の行動の段階をさらに細かく分けたモデルといえます。

マーケティングにおいて大事なことは、どのモデルを使うかということよりも、各購買行動モデルを参考にしながら、自分が扱う商品・サービスに関して、消費者がどのような行動をとるかという「カスタマージャーニーマップ」を描くことです。このカスタマー・ジャーニーマップを示すことができれば、それぞれの段階で打つべきプロモーションが見え、的確なアプローチができるようになります。