コピーライターが知っておきたいマーケティングの知識【必須です】

コピーライターはクリエイティブな仕事で、「マーケティングなんて必要ない、感性に任せてコピーを書けばいい」と思っていませんか?結論から言うとそれは誤りです。でも心配はいりません。マーケティングは奥が深い学問ですが、広告コピーを書くときに最低限知っておくべきは、①ターゲットの設定とターゲットインサイトを見つけることと②USP(差別化ポイント)の設定の2点だけ。以下、順を追って説明します。

広告コピーを書くときに、最低限必要なポイント

1ターゲット

ターゲットの設定

「全員をターゲットにすることは、誰もターゲットにできていなことと同じ」とマーケティングでは考えられますが、これはコピーライティングにおいても同じです。「誰にでも響くコピー(を書いたつもり)は、誰にも響かないコピー」になっているはずです。そもそも、消費者は、生活に溢れる一つひとつのコピーをじっくりと見る・認識するということはあり得ず、ごく一部のコピーに対してのみ反応をするということを改めて認識しておきましょう。

消費者が反応するコピー

  • 自分のことをHappyにしてくれることが直感でわかるもの
  • 不幸な今の自分を救ってくれることが直感でわかるもの

具体的なターゲットの設定にあたっての考え方は、マーケティングが得意な分野で、STP分析の考え方が役に立ちます。これは、S(セグメンテーション)、T(ターゲティング)、P(ポジショニング)の3つに分けた分析方法です。

まずは、市場をいくつかの切り口からセグメント(分類)するところから始めます。例えば、年齢・性別・職業・趣味・嗜好の掛け合わせで、様々な切り口でセグメントすることができます。

次に、上記セグメントのうち、どこをターゲットにするかというのを決めるのがターゲティングです。

最後に、その定めたターゲットに対して、どんな特徴的・差別化ポイントを持たせるかというのが、ポジショニングです。

コピーライティングにあたっては、まず今回のコピーライティングの対象商品・サービスが、どの対象を狙ったものかを確認しておきましょう。

マーケティングがしっかりしている会社であれば、予めこのSTP分析がしっかりとなされています。一方で、この分析が事前になされていない場合は、コピーライティングにあたり、ターゲットを設定していく必要があります。

ターゲットインサイトを見つける

ターゲットが決まったら、次はターゲットインサイトを見つけます。ターゲットインサイトとは、ターゲットが心に秘めている本音ですが、突き詰めると、欲求と不安の2つの心情に集約できます。

このターゲットの本音は隠れていますので、これをいかに発見するかがポイントです。決して、ターゲットインサイトはコピーライターの方で作り出すものではない点に注意してください。大事なのは、ターゲットが持っている隠れた欲求・不安に気づかせてあげることです。

参考になるのは、マズローの欲求の5段階説で、一つ下の欲求が満たされると次の段階の欲求を満たそうとする心理的行動を表した概念です。

  1. 生理的欲求(食欲、排泄欲、睡眠欲など、生存に必要な欲求。)
  2. 安全欲求(安全性・安定したな暮らしへの欲求)
  3. 社会的欲求(社会的役割を満たしたいという欲求)
  4. 承認欲求(他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求)
  5. 自己実現欲求(あるべき自分になりたいと願う欲求)

ターゲットを選定し、そのターゲットインサイトまで確認ができれば、ターゲットに関する準備は完了です。

2競合商品との差別化

ターゲットの次に考えるべきは、競合商品との差別化です。いくらターゲットインサイトを明確に捉えたとしても、競合と同じアプローチしかできなければ、消費者は自社を選択してくれません。

マーケティングでは、USP(Unique Selling Proposition)、「独自の売り」といわれますが、上記の通り重要なのは、競合との比較の中で、独自の売りを定めることです。

まず注意したい点として、「独自の売り」を定めるにあたっては、競合についての調査を行うことです。「独自」というためには、競合にない(または競合を超える)特徴を持っておく必要があるからです。

次に、上記のターゲットインサイトへの配慮も重要です。いくら「独自」であっても、ターゲットの欲求とずれていては意味がないからです。

この辺りについても、マーケティングが得意とするところで、3C分析という手法が有名です。マーケティング戦略を立てるにあたっては、ターゲットである顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)を漏れなく分析しようというフレームワークですが、やはりコピーライティングにおいても重要な考え方になります。

最後に、「競合」に対して独自の売りを設定するという点についてですが、競合の捉え方については、柔軟な発想がポイントとなります。

例えば、USJの競合を考えた場合、テーマパークという意味での直接の競合はディズニーランドなどが思い浮かびますが、「インスタ映え」という視点では、テーマパーク以外のものも競合になり得ますね。ここでのターゲットインサイトは、承認欲求を満たすこと。

  • 直接の競合 ディズニーランド
  • 価値の競合 パンケーキ、アフタヌーンティーなど?

3まとめ

以上のように、コピーライティングにおいても、マーケティングの感が方は重要で、特にターゲットの設定・ターゲットインサイトの確認、USPの設定の重要性について理解いただけたと思います。